ケアラー(家族などの無償の介護者)連盟結成宣言
わたしたちの社会には、暮らしていくのに介護が必要な人がいます。
障がいをもつ人や病気やけがで療養中の人、支えが必要な高齢者などです。
そして、身体的・精神的・経済的な不安を抱え、将来の見通しをもてないまま、その人たちの介護をしている人がいます。
介護をしている人のなかには子どもや若者もいます。家庭や仕事に責任のある世代の人もいます。
ゆとりある時間がもてるはずの高齢者や、自分の身の回りを保つことで精一杯の超高齢者もいます。
なかには介護のためにやむなく仕事を辞めたり、学業をあきらめる介護者もいます。
介護者が自身の現在の生活や将来の人生を犠牲にしなければならないような介護が、ほんとうによい介護なのでしょうか?
介護を必要としている人は、自分のために、介護者が人生を犠牲にすることを望んでいるでしょうか?
ケアラーにも、健康で文化的な生活を送り、一人の個人として自分の人生を自分らしく自分で選択しながら生きる権利があります。
身体的・精神的・経済的な負担のすべてを介護者自身に負わせてきた社会を変えなければなりません。
病気や障がいごとの縦割り介護を横につないで、介護をしている人、介護者を心配し何か役に立ちたいと考えている友人や隣人、 介護者の抱える問題を社会的に解決しようという志をもつ市民、専門家が「ケアラー」として手をつなぐことは、現在の介護者の支援だけでなく、 将来、介護者になるかもしれないすべての人々の未来に希望をもたらすはずです。
介護を必要としている人も介護者も、ともに自分の人生の主人公になれる共生の社会をつくることを目指して、「ケアラー連盟」を結成することをここに宣言します。
2010(平成22)年6月7日
ケアラー連盟設立よびかけ人一同